さすがに熱は出ないし、あとは咳だけだ。
薬の副作用か、喉がやたらと乾く。
夕方、コンビニに出かける。
日が暮れて、夕闇のなか、
雑居ビルの1階の真っ暗なエントランスホールで、
巫女さんがうずくまって、ごそごそ動いている。
「へえ、巫女さんがこんなところに…。
え、巫女さん?」
思わず2度見する。
なんだか見てはいけない現場のような気がして、
それでも立ち止まって、そっとようすをうかがう。
すると、立て看板「巫女バー」がピカピカと輝いた。
巫女姿の店員による、店前の掃除や看板の点灯など、
開店準備だったのだ。
「そんなもんですよね〜」と思って、立ち去る。